社会人になると胃痛は当たり前?ストレスや医薬品の副作用も原因
今回はテニスと全く関係ありませんが、ちょいとお仕事(医療関係の会社)で得た知識と関連する話を…。学生の方はともかく、社会人になると仕事における人間関係、不規則な生活などによる精神的・身体的なストレスで、胃が痛くなるなんてことは、誰しもが経験していると思います。酷くなると私が経験したように潰瘍ができているということもあるでしょう。
胃・十二指腸潰瘍などの消化管の粘膜に、損傷が生じることを消化性潰瘍と言います。正確には、粘膜の上部に起こる損傷は「びらん」、粘膜の下層の筋肉にまで及ぶものが「潰瘍」といいます。
消化性潰瘍は上記のようにストレスや暴飲暴食等により、塩酸である胃酸や、消化液であるペプシン、胆汁酸などの攻撃因子と、荒れた粘膜細胞を修復する粘液である防御因子のバランスが崩れると起こります。
ただし、胃の傷みを引き起こす潰瘍の原因はこれだけではなく、薬の副作用ということもあります。潰瘍を起こしやすい薬は、ステロイド薬や非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)などがあります。
NSAIDsは、炎症性プロスタグランジン(PG)を抑制するためにPGを生成する酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害します。しかし、胃の表面を守る粘液を分泌する作用があるほかのPGも抑制されてしまうため、防御因子が低下して潰瘍が起こりやすくなります。
このため、ステロイド薬やNSAIDsを処方するときには、防御因子の働きを強める薬やプロトンポンプ阻害薬も、同時に処方されることがあります。